外科医の採用はなぜ大変? 長時間労働にどう向き合うか

厚生労働省の2019年の調査では、週あたりの勤務時間が60時間以上となる病院常勤医の割合が、脳神経外科で53%、外科で51%にのぼりました。他の診療科と比べても高い水準です。外科系の採用が難しい背景と、採用時にどう向き合うべきかを整理します。
01外科医の労働時間の実態
脳神経外科53%、外科51%という数字は、病院常勤医の半数以上が週60時間以上働いているということです。当直や緊急対応の頻度が高い診療科ほど労働時間が長くなりやすいという傾向があり、外科系はその中でも特に顕著です。
02なぜ長時間労働が続くのか
手術という業務の性質上、緊急手術への対応や、術後の患者管理は予定通りに終わらないことが多く、労働時間の見通しが立てにくい構造があります。手術件数が多い病院ほど、この不確実性はそのまま長時間労働につながりやすくなります。
03働き方改革と現場のギャップ
2024年4月から医師の時間外労働の上限規制が適用され、原則として年960時間(A水準)が基準となりました。地域医療の確保などを理由に一部の医療機関には年1860時間までの特例水準が認められていますが、いずれにしても、これまでの働き方をそのまま続けられる病院は少なくなっています。制度と現場の実態のギャップをどう埋めるかは、外科系の採用にも直結するテーマです。
ヒポくんメモ制度が変わっても、手術の緊急性そのものは変わらないから、現場での工夫が追いついてない病院もまだ結構あるんだよね。ここは一朝一夕には解決しない部分だと思う。
04採用面で正直に伝えるべきこと
労働時間の実態を曖昧にしたまま採用し、入職後に「聞いていた話と違った」となるのが一番避けたい事態です。チーム制での手術体制や、当直明けの勤務免除など、負担を軽減するための具体的な取り組みがあれば、それを含めて正直に伝えることが、長期的な定着につながります。
05よくある質問
Q. 労働時間の実態を伝えると、応募が減りませんか?
短期的には響く可能性がありますが、実態と違う情報を伝えて入職後に早期離職されるコストのほうが大きくなりがちです。正直な情報開示は、中長期的にはミスマッチを減らす方向に働きます。
Q. 外科医の負担を軽減する具体的な取り組みにはどんなものがありますか?
複数医師によるチーム制の手術体制、当直明けの業務調整、タスクシフトによる周辺業務の分担などが挙げられます。病院の規模や体制によって取り組める範囲は異なります。


