採用ノウハウ

クリニックの採用で本当に見るべきポイントとは? 少人数組織ならではの視点

採用ノウハウ2026.08.24約6分で読めます
小規模なクリニックの受付でひとり業務にあたるスタッフ

「クリニックは応募が来ない」という相談を受けることがあります。ただ、全国の一般診療所は104,894施設、病院は8,122施設です(厚生労働省「医療施設調査」令和5年10月1日現在)。施設数だけ見れば、クリニックのほうが病院より13倍近く多い。単純な奪い合いの土俵では、実はそこまで分が悪いわけではありません。クリニックの採用が本当に難しいのは、別のところにあります。

01施設数で見る、クリニックと病院の違い

厚生労働省「医療施設調査」(令和5年10月1日現在)によると、病院は8,122施設、一般診療所(クリニック)は104,894施設です。母数で見れば、看護師や医師が働く先の選択肢はクリニックのほうが圧倒的に多い。求人を出す側からすると、これは競合となる施設の数がそれだけ多いということでもあります。

一方で、1施設あたりの規模はまるで違います。病院は数十人から数百人のスタッフを抱えるのに対し、クリニックの看護師は1〜2名で回している例が多いと、開業支援を手がける業界コラムでは紹介されています。常勤看護師1名にパート看護師1〜2名を組み合わせる体制が「理想的」とされることも多く、そもそも病院のような分厚い人員配置を前提にしていません。

02少人数だからこそ、1人の穴が体制に直結する

看護師2名体制のクリニックで1名が抜けたとします。単純に数だけ見れば、戦力は半分になる計算です。病院であれば同じ1人の離職でも、他のスタッフや他病棟からの応援でカバーできる余地が残りますが、クリニックではその余地が限られます。

これがクリニックの採用でもっとも意識したい点だと考えています。応募が来ないこと自体よりも、1人のミスマッチや早期離職が、そのまま診療体制の縮小や休診に直結してしまう。病院なら「今期は採用が振るわなかった」で済む話が、クリニックでは「今週の診療をどう回すか」という話になります。だからこそ、面接だけに頼らず前職での働きぶりを確認しておくような、ミスマッチを未然に減らす手段の価値は、クリニックでは病院よりむしろ大きいと言えます。

03知名度よりも、院長の人脈が採用力を支えている

クリニックの採用が難しい理由として、真っ先に「病院に比べて知名度が低いから」と語られがちです。ただ、これは半分しか当たっていません。m3.comが医師会員を対象に行ったアンケートでは、診療所の開業医に限ると医師確保の手段は直接雇用が52.8%ともっとも多く、人材紹介会社は17.9%にとどまっています。院長個人のつながりや評判で採用が決まる比率は、むしろ病院より高いのです。

知名度で見劣りする分を、院長個人の人脈や地域での評判でカバーしているクリニックは少なくありません。弱いのは応募を集める力そのものではなく、その人脈が途切れた瞬間の代替手段です。院長の同級生や元同僚のつてが尽きたとき、次のルートを持っているクリニックは多くありません。

ヒポくん

ヒポくんメモ院長先生の「昔からの知り合い」ルートって、実はけっこう強いんだよね。ただそのルートが1本しかないと、そこが切れた瞬間に採用が止まっちゃう。2本目のルートをどう作るかが、地味に大事だったりする。

04採用担当が「兼任」であることの影響

病院には採用担当や人事部門が置かれていることが多い一方、クリニックでは院長やベテランスタッフが診療の合間に採用業務を兼任しているケースがほとんどです。求人票の見直しや採用サイトの情報発信は、どうしても後回しになりがちです。

採用が長引く病院の背景に求人票や情報発信の質があるように、クリニックでも同じ構造は起きます。違うのは、それを見直す時間を取れる人が院内にほぼいないという点です。

05少人数組織が現実的にできること

採用担当を新たに雇う余裕がないクリニックがほとんどだと思います。その前提で現実的にできることは、1人あたりの採用の見極めの精度を上げることです。病院なら1人のミスマッチをほかのスタッフでカバーできますが、クリニックではそうはいきません。採用人数が少ないからこそ、1人にかける確認の手間は病院より軽くしていい理由にはなりません。面接だけで判断せず、前職での働きぶりを知る人に話を聞く手段を持っておくと、採用後に「聞いていた話と違った」という事態を減らせます。

もう一つは、院長個人の人脈に依存した採用プロセスを、引き継げる形にしておくことです。誰に声をかけたか、どう口説いたかが院長の頭の中にしかない状態では、院長が忙しくなった年や体調を崩した年に採用そのものが止まってしまいます。

06よくある質問

Q. クリニックでも人材紹介会社は必要ですか?

院長の人脈や直接応募だけで充分な採用ができているうちは、必ずしも必要ではありません。ただし、その人脈が尽きたときの代替手段として、紹介会社や求人媒体との関係を細くでも保っておくと、急な欠員時に動きやすくなります。

Q. クリニックの採用でまず手をつけるべきことは何ですか?

求人票や採用ページの情報が古いままになっていないかの確認です。院長の人脈頼みの採用が中心のクリニックほど、この部分が数年単位で放置されているケースをよく見かけます。

少人数だからこそ、1人の見極めを丁寧に

ヒポチェックは、医療機関に特化したリファレンスチェックサービスです。採用人数が少ないクリニックほど、1人のミスマッチの影響は大きくなります。入職前に第三者の視点で働きぶりを確認できます。

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