採用ノウハウ

医師の採用面接で何を見極める?
選考のコツと聞くべき質問

採用ノウハウ2026.08.13約6分で読めます
院長と面接をする医師候補者のイメージ

医師1人あたりの紹介手数料は平均335.9万円ともいわれます(東京都病院協会調査)。採用にそれだけのコストをかけている以上、面接1回の精度が、そのまま経営インパクトに直結します。この記事では、医師の採用面接で何を確認すべきか、選考のコツと具体的な質問例をまとめます。

01医師面接は「短時間勝負」になりやすい

医師の採用面接は、他職種に比べて時間が取りにくいという事情があります。診療の合間を縫って設定されることが多く、紹介会社経由の場合は候補者側のスケジュールもタイトです。結果として、30分程度の面接1回だけで採否を決めることも珍しくありません。

面接で分かるのは、本人が言葉にできる自己像までです。当直への耐性や医局・チームとの折り合い方といった、定着を左右する要素ほど、短い雑談の中では見えてきません。時間が限られているからこそ、何を聞くかの優先順位が重要になります。

02ありがちな2つの落とし穴

雑談型と圧迫型、この2つに寄りがちなのは医師面接も同じです。

「話していて感じが良かったから」で決める雑談型は、院長や医局長など一人の印象に判断が委ねられやすく、複数人で評価しても基準が揃いません。一方、経歴や実績を厳しく問い詰める圧迫型は、ストレス耐性を見ているつもりでも、実際に分かるのは圧迫面接に対する反応だけです。実力のある医師ほど他院からも声がかかっているため、その場で選考を辞退するリスクもあります。

03見極めの軸になる「行動を聞く」質問

「チーム医療は得意ですか」と聞けば、ほぼ全員が「得意です」と答えます。効くのは、抽象的な自己評価ではなく、過去の具体的な行動を聞くことです。

たとえば「直近で、治療方針をめぐって他科や看護師側と意見が割れた場面を一つ教えてください。何が起きて、あなたはどう動いて、結果どうなりましたか」といった聞き方です。実際にあった出来事を聞かれると、とっさに答えを作りにくくなります。

04医師の面接でチェックしたい4つの視点

ヒポくん

ヒポくんメモ医師の面接は時間が短いぶん、当日いきなり本題に入りがちなんだ。でも最初の数分は条件面のすり合わせに使って、緊張がほぐれてから行動ベースの質問に入るほうが、本音の答えが返ってきやすいよ。

05面接で聞いてはいけないこと

厚生労働省は「公正な採用選考の基本」として、本籍や出生地、家族の職業・収入、思想信条や支持政党、住宅状況といった、本人の適性・能力とは関係のない事項を採用選考の判断材料にしないよう求めています。

医師面接では、家族の勤務地や配偶者の仕事について踏み込んで聞いてしまうケースが見られます。転勤や単身赴任の可能性を確認したいのだとしても、聞くべきは「家族の状況」ではなく「勤務地・勤務条件に対応できるか」という条件そのものです。

06一人の判断に頼らない仕組み

医局長や院長だけの一対一面接で決めている場合、評価はその人の主観に戻ります。看護部長や事務長など、立場の異なる複数人が同席し、面接後に評価をすり合わせる場を作るだけで、精度はかなり変わります。

それでも、面接である以上、見えるのは本人が自分について語る範囲までです。一緒に働いた同僚や上司に話を聞くリファレンスチェックは、この部分を補う手段として使われています。

本記事は厚生労働省「公正な採用選考の基本」、東京都病院協会の調査、日本医師会・四病院団体協議会「有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書」(2026年3月)等をもとにした一般的な情報提供です。各データの詳細は各団体の公表資料をご確認ください。

07よくある質問

Q. 面接時間が30分しか取れません。何を優先すべきですか?

条件面の確認に時間を使いすぎず、行動ベースの質問を最低1つは残すことをおすすめします。「医局やチームとの折り合い方」か「転職理由の深掘り」のどちらかだけでも、雑談だけの面接より得られる情報は大きく変わります。

Q. 紹介会社経由だと、面接前のヒアリング情報をどこまで信用していいですか?

紹介会社のヒアリングが簡易なものにとどまっているケースがあることは、日本医師会・四病院団体協議会の報告書でも指摘されています。紹介会社の情報を鵜呑みにせず、面接では自院独自の質問で改めて確認する姿勢が安全です。

Q. 圧迫面接で医師の適性は分かりませんか?

実際の当直や急変対応のストレスとは性質が異なるうえ、優秀な医師ほど選考を辞退するリスクがあります。過去のストレス対応を具体的に聞く行動ベースの質問のほうが、実務的な情報が得られます。

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